【「責任感ある大人」がいた時代】
こういうアメリカ的価値観とか民主主義イデオロギーが現在ではもう、通用しなくなってる? そう考えるとたしかに古臭さは否めない作品。時代の徒花というか…。
フランク・キャプラの映画は『素晴らしき哉、人生!』もそうだったが、あまりにもアメリカらしい理想主義が全面に出過ぎており鼻に突く箇所も少なくない。今観ても完成度の高いヒューマンドラマだとは思うのだが❓
本作に於ける主人公・ジェームズ・スチュワートのような「責任感ある大人」が今では減ってきてて大して感情移入し難いのが残念である。小6の時に『オペラハット』と併せてビデオで観たのだが、当時のアメリカは自由・平等・人権を尊重する偉大な国だと思ってたのに!
時代によって価値観なんてコロコロ変わるから、当時はアメリカも健全だったなぁ〜、なんて懐古趣味に浸る分には良いかも知れない。
ひねくれた見方すれば単なる民主主義プロパガンダ映画でしかないのだが、キャプラ監督の「理想」が十分に反映された古き良き人情コメディの秀作だと思う。