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シン・ウルトラマンのMasterYuのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.2
日本に出没するようになった巨大不明生物「禍威獣」。
その「禍威獣」対策として、政府は防災庁、そして禍威獣災害対策復興本部を設立し、防災庁内に5名の専門家による禍威獣特設対策室、通称「禍特対」が設置。
禍特対の指揮の元、2体の禍威獣駆除に成功していたが、禍威獣第7号「ネロンガ」の無差別放電に手をこまねいていた時、突如飛翔体が降着した。
舞い上がる粉塵の中から姿を現した銀色の巨人に、禍特対のメンバーは驚愕するのだが・・・。

オリジナル「ウルトラマン」へのリスペクトを持ちつつも、ウルトラマンの立ち位置、解釈を巧くアップデートしていて、私的にはかなり楽しめました。

「シン」と付くから「シン・ゴジラ」と比べられてしまうところがあると思いますが、恐らく「ウルトラマン」が好きか?オリジナル「ウルトラマン」がどれだけ自分の中に刷り込まれているか?
その度合いで感想は大きく変わるだろうと推測されます。
つまりは「シン・ゴジラ」みたいなのを期待しながらも、「ウルトラマン」にそこまで興味のない人の反応は薄いのではないでしょうか?

私としては、外星人(宇宙人)のウルトラマンの視点、そして彼を取り巻く禍特対の面々との距離感が絶妙だと思ったし、ウルトラマンが人を理解しようとする想いはオリジナルに通ずるもので、今尚続くウルトラマンが愛される理由が、正にそこにあるのだと再確認できたという意味でとても良かったと。

シンゴジ要素、或いはエヴァ要素という観点は、自分には瑣末なことだったりしますが、オリジナルからチョイスされた5つのエピソードの配分も面白かったし、それらの表現、演出もよかった。
オリジナルに通ずる部分が、オリジナルっぽい演出とかそういうことではなく、ウルトラマンの人に対する理解というところに重きがあったのが嬉しかったですね。

私的には禍特対が禍威獣を駆除するスピンオフを観てみたい。
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