七色星団

シン・ウルトラマンの七色星団のレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.0
世界よ、これが”日本らしい”ヒーローだ!(笑)

自分の信じる正義を行使する事には躊躇しない外国製ヒーローに対して、周囲との関係や事情を鑑みつつ行動する和製ヒーロー、ウルトラマン。
お国柄だなぁと思いつつも、そこに面白みを感じた。

そう言えばシン・ゴジラでは有能で頼もしい官僚として描かれていた部分が、本作ではやっぱり日本ってこうだよねぇと、一部残念な人達として対照的に描かれていたのも面白かったね。

それにしてもウルトラマン全39話からウルトラエッセンスを抽出して上手にまとめ上げた本作、シン・ウルトラマン。
オマージュ、リスペクト、インスパイアetc…。様々な表現もあろうけど、充分なウルトラマン愛は作品からも感じた。

ウルトラマンの世界では到底考えられない思考。
自分の命を顧みず他人の命を救おうとする人間の行動に興味を持ち、以降は徐々に人間を理解しようと寄り添い、遂には自己犠牲へと行き着いたのは、上映時間2時間という枠の中での流れとしてはとても美しくまとまっていると思った。

神=ウルトラマンさえいれば…と無力感に打ちのめされる科学者の葛藤〜ウルトラマンだけでは勝てない〜自分達にも出来ることをやるんだ!と奮い立ち、人類の叡智を結集し難敵に立ち向かうまでの流れも良い。

改めて振り返ると本作の良さってのは、2時間の枠の中で様々な素材を正しい場所に当てはめた最適解、無理のないスムーズな話運びにあるのではないかな。

正直、減点と言える減点要素は本作には無くて、たまに見かけるCG製のウルトラマンへの物申しに関しても、確かに違和感が無いとは言わないけど、そこが減点要素にはならなかったな、僕の場合。
だったら5点満点じゃないの?って話だけど、そう単純な話でもなく

何が凄いって、会議室や大人の事情の話が本編の大部分を占めていたシン・ゴジラと違って、腹黒系宇宙人や怪獣との対決にハラハラ、ドキドキ、ワクワクする、ウルトラマン本来の楽しさ満載で、現代の子供たちのファーストウルトラマンとしてもメチャクチャ楽しめる作品になってること。
子供が見て楽しい!はウルトラマンの正義だからね。

最後に。
誰が入れ込んでこうなったのかは知らないけれど。
"そんなに長澤まさみが好きだったのか。シンウルスタッフ"
と言いたくなるほど長澤まさみの使い方には好感を覚えました。
眼福😆
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