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シン・ウルトラマンのfrozenwormのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


終盤までは純粋に特撮ものとして楽しめました。
戦闘シーンが良かったです。音楽も当時のものが多くて熱くなりました。


終盤(ウルトラマンが自分を犠牲にする展開)は、初代ウルトラマンが大好きな僕は楽しめたのですが、原作ファン以外の方もちゃんと楽しめる(納得がいく)のか正直不安です。

というのも、今作では「国家間の醜い政治」「巨大化したヒロインに下世話な興味を向ける人々」など、人間の俗っぽい部分が描かれているため、なぜウルトラマンが人類のために自己を犠牲にしてまで闘うのか、説得力に欠けるのではないでしょうか。

※「神永個人の自己犠牲心に胸を打たれた」だけだと弱いと思うし、地球の皆で協力してゼットンを倒す流れはあったけど、シーンとしては殆ど盛り上がらなかったし……。


原作では、科特隊が勇気と使命感を持って怪獣と戦ったり、科特隊の海外支部と連携していたり、一介の少年が地球を守るためにメフィラス星人と対峙したり、人間が基本的に善なるものとして描かれていました(ジャミラ回などの例外もありますが)。
だからこそ、ウルトラマンが人類の味方をしてくれることに説得力があったんだと思うんですよね。

今作では、人間社会のリアリティを追求するがあまり、自己犠牲という美しい感情がフィクションじみて見える気がします。


【追記】

ウルトラマン初見の友人から以下の意見を貰い、少し考えが変わったので追記します。


・ウルトラマンは高度な科学によりほぼ死なない生命体だから、我々以上に神永の「自己犠牲」に驚き、感銘を受けたのではないか。
・ウルトラマンが神永の死体を見つめるシーンがあったが、その場面で「自己犠牲」について深く考え、人類のために生命を使うと決めたのではないか。


確かにその通りだと思いました。
多少駆け足でしたが、ウルトラマンが人間を好きになった理由が、上述のシーンで描かれていると思います。


【追記おわり】



個人的な思い入れとしては、ネロンガとかガボラとか、子供の頃にソフビで遊んでいた怪獣がスクリーンで観れて本当に嬉しかったです。

あとウルトラマンがゼットンにやられるシーンが悲しくてちょっと泣いちゃいました。
ウルトラマンの敗北シーンは何度観ても辛い……。

また、ゼットンについて「一兆度」という原作設定を律儀に守っている点には笑いました。ゼットンがあれだけ巨大なのは、空想科学読本にあった「一兆度を出すには巨大な肉体が必要」というネタを採用してるのかな? まさかね……。

 

そんな訳で、色々書きましたが、オタク的目線で言えばやっぱり楽しい映画でした。
シン仮面ライダーの後はシン・ウルトラセブンも宜しくお願いしまーす。
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