kelow

シン・ウルトラマンのkelowのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

まず一言。
この現代にシンの初代ウルトラマンを蘇らせてくれてありがとう。

自分はコッテコテのウルトラオタクなので、今回何が再現やらオマージュやらされるのかとワクワクして観に行ったら早速!!アバンタイトルが現代技術で再現されてるじゃないですか!!!
死ぬほどみた黄色と青の絵具のぐるぐる!そしてシンジャパンヒーローズユニバースの初代、シンゴジラからのシンウルトラマン!!東宝と円谷が名を連ねてるだけですごい、、。既にここでテンションはぶち上がり。

からの!!「ウルトラQ」だッッッ!!
BGMがっ!ゴメス!マンモスフラワー!??ペギラ!!ラルゲユウス、!カイゲル(ゴーガ)!?パゴス!!多すぎる、開始10秒で無事死亡。

てかマンモスフラワーとかぶったまげすぎるし、ゴメスは元々ゴジラの着ぐるみを改造したものだからCGモデルもシンゴジラのを流用してて細かすぎるっっ!って見ながら暴れてた。

長くなるのでウルトラマン登場まで飛ばします。

ここで予告と違ったのはまず体の赤ラインが無く完全な"銀色の巨人"になってたこと。
それよりも!!顔が!!マスクが!Aタイプになってるじゃないですか!!!しわしわの顔!サプライズ!!

BGMも当時のと合わせており股下アングルまで盛り込む変態さ。
胸板バリアも決めてアホ威力のスペシウム光線。
さすがIMAX。迫力が違う。
IMAXでウルトラマンが観れるという今後一生あるかないかの貴重な経験をありがとうございました。

上記のゴジラ→ゴメスの着ぐるみ改造の件もそうだけど、パゴス→ネロンガ→ガボラも着ぐるみが改造されているんですよ。
予算削減の為の着ぐるみ改造を「生物兵器のアタッチメントを付け替えたみたい」と設定にもってくるのは変態過ぎじゃない???敢えてCGモデルも流用してるのも変態。

ガボラとの戦闘シーン。ウルトラマンが飛ぶ時のポーズが当時の飛行人形(昔はCGがあまり使えなかったので飛んでるポーズの人形を作り、吊るして飛行シーンを撮影していた)の形そのまんまなのは予告でわかってたけどまさか着地するシーンのバックで飛んでくるとこまで再現するとは思わなかった、、!!(当時は上記の飛行人形を使っていたので着地シーンの直前、降下してくるシーンは飛行人形を逆向きに進ませて着地に繋げるシーンがあった)
これは変態すぎる。
しかもガボラは着ぐるみが重くて自力では立てなかったからワイヤーで吊るして四足歩行→二足歩行にして撮影してた。それをシンでは尻尾のドリルを使って山にブッ刺し引っ張り上げるようにして二足歩行へとしていた!こんなニッチなネタ誰が気づくんでしょうか!

さらにザラブ星人の登場。体の裏が透明で中が透けて見えるのはCGならではの演出で良い。そしてしっかりニセウルトラマンまで!!見た目が原作よりわかりづらくなってる!

長澤まさみが捕まるのもビルをぶち壊して登場するのも原作を再現していると思ったその矢先、!なんとここだけ!アクションシーンが忠実に再現されているではないか!!!!子供の時から死ぬほど見ていたニセウルトラマンとの戦闘シーン。構える両者のカットを見た瞬間に体の向きや手の微妙な動きが完璧に再現されているのに気づいた自分も相当変態であろう。
腕掴みからの目ん玉チョップで手を痛がる。さらに飛ぼうとするニセウルトラマンにスペシウム光線を打ち込み(威力が増し増しでカッコ良すぎた)ビルに突っ込み変身が解けるザラブ星人。ザラブ星人の変身が光学迷彩みたいに解けるのも良い。ザラブ星人の怪音波が可視化されてたのも面白い。そこから空中戦へ。ここでBGMが切り替わるのも完全再現!
撃墜されても飛行人形ポーズを崩さないのはこだわりだろう。CGだからいくらでも体勢は変えられるが敢えて飛行人形のポーズのままにしているのは多大なるリスペクトを感じる。

次にメフィラス。デカ長澤まさみも再現しており現代らしい影響も描かれていた。メフィラスは当時1人の子供に地球を受け渡すよう要求していたが今回は国のトップに要求するという、より説得力のある侵略方法になっていた。
ザラブ星人は当時のままの侵略方法で問題なかったがメフィラスはたしかに子供にそれ言わせてもなぁという感じもあったので良い改変であったと思う。
あくまでもスマートに侵略を完成させようというメフィラスだが、いざ戦うとなるとウルトラマンと互角かそれ以上の戦闘力があるのも当時からある彼の魅力だ。今回も変わらず。光線の撃ち合いは相変わらずの迫力だ、!

ここでまさかのゾフィーかと思いきやゾーフィ笑
これは笑わざるを得ない。
ウルトラオタクはゾフィーやゼットンくらいは予想していたと思うがまさかゾーフィがくるとは誰も思わなかっただろう。
当時のガバガバだった児童誌の誤植を使うかね?????
かなりコアなネタだろ。これ。
知らない人に言うと当時はゼットン星人なるものが地球侵略のために送り込んだ怪獣がゼットンであり、ゾフィーは光の国、ウルトラ兄弟の長男。ゾフィーは決して敵ではない。
しかしどこよりも早く怪獣図鑑を発売したかったある出版社が急ぎに急いだ結果、どこかで情報が歪み名前とイラストはゾフィー、説明はゼットン星人というキメラが誕生したのだ。それが宇宙人ゾーフィである。(良かったら画像検索してみてください)
今作ではまさにゼットン星人+ゾフィーの役割をゾーフィが担っており(ゼットンを送り込む→ゼットン星人、ウルトラマンに光の国に帰るよう説得→ゾフィー)はじめはウルトラマンも「ゾーフィ」と呼んでいたが、後半のゾフィー役のパートではしっかり「ゾフィー」と聞こえるように呼んでいたのも面白くて笑ってしまった。ゾフィゾフィゾフィゾフィーー

ゼットンの火球も二つが合わさって一つの赤球になる出し方になってて細かい。
そしてやはり最後はやると思っていた変身バンク!これがあってこそウルトラマンでしょう。
と思ったら人間と分離する時のちっさくなっていく逆バンクまであってやっぱり変態だったわ。

ウルトラマンが飛んでいくシーンのソニックブームやゼットンの一兆度の火球は太陽系が蒸発する温度とかいう演出は"空想科学読本"から持ってきたのかな?とか思ってニヤニヤしていた。小学生のとき読んでたなぁ。

言葉は話せないが身を挺して人間を守ることで信頼を得る姿。アイコンタクトで少し優しく微笑んでいるように見えるウルトラマン。ウルトラマンに頼り切ってしまう人間の過ち。ウルトラマンは決して神ではなく、地球は人類自らの手で守ることが大切ということ。これこそがウルトラマンであり、ウルトラマンの真髄である。

完璧に"シン"ウルトラマンであった。
kelow

kelow