イマフクショウキ

シン・ウルトラマンのイマフクショウキのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.4
このままだと好きな邦画ベスト3が
シン・ゴジラ
シン・仮面ライダー
シン・ウルトラマンになっちゃう…!

庵野秀明・樋口真嗣による初代ウルトラマンのリブート作。

人類補完計画の成れの果てともいえるウルトラマンが人類に憧れるっていうのは皮肉な話。
でも庵野監督が描きたかったのはそういうことなんだろうな。

思っていたよりウルトラマン。
ウルトラQから始まり、初代マンのエピソード5つほどを繋ぎ合わせたような構成。
て感じの内容なので、ウルトラマン、ないしは庵野秀明、樋口真嗣への思い入れがどれだけあるかによって評価が大きく変わってしまう映画になってる。

個人的なウルトラマンへの思い入れとしては、小さい頃は「ウルトラ怪獣大事典」だったり「ウルトラ戦士主題歌集」みたいなVHSを何度も繰り返し観ていたし、Qや初代マンやセブン、エースのビデオもレンタルしてきて観ていた記憶がある。
世代的にはティガと同い年で、ダイナ、ガイアと続く平成三部作を観てた。(録画とか再放送かな、おそらく。)

ソフビやオモチャもいっぱい持ってたし、何よりバンド名に怪獣の名前を付けているぐらいの熱量はある。(ティガに登場する炎魔戦士キリエロイド)

庵野秀明への思い入れに関しては言わずもがなだけど、樋口真嗣への思い入れもしっかりある。
シン・ゴジラはもちろん、日本特撮史上最高傑作とも名高い平成ガメラ三部作もある。仮面ライダーBLACK SUNのコンセプトビジュアルも彼だし、エヴァやナディアにも関わっている。

それぐらい自分の血肉となっている作品たちのDNAが受け継がれていたので、最高だった。

とはいえ、メチャクチャ変な映画だとも思う。
外連味も凄いし、ターゲット層もよくわからない。
途中で急に画質が落ちるシーンがあるし(スマホで撮ってる映像を使ってるらしい)、演技のノリも独特。
純粋に素晴らしい映画かと訊かれたら、困ってしまいそう。

ウルトラマンにも庵野作品樋口作品にも興味ない人には口が裂けてもオススメできない。
いや、シンゴジや平成ガメラみたいなのを期待して観に行ってもガッカリすると思うので、樋口ファンにもオススメできないかも。

庵野曰く、もともと三部作(マン→新マン→セブン)を想定して作っているらしいので、是非続編もやってほしい。
今作はチグハグ感も目立っているので(シンエヴァ、シン仮面ライダーと同時並行だったので仕方ない部分もあるけど)、次は庵野さん監督でやってほしい。樋口さんは特技監督で。