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1917 命をかけた伝令のyukiのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.5
公開時劇場で。

全編ワンカット(風)というのは、過去も未来も描けずカメラで追い続ける現在の主人公以外に描けない。基本的に別の視点や他の場面というのがない。本作ではその制約がかえって戦場というリアリティを作り出し、緊迫感のある手に汗握る作品になっている。

戦場にいる名もなき青年2人が伝令のため最前線に向かうという、文字にするとたったこれだけのお話。撮影方法ばっかり注目されがちだけどサム・メンデスのうまさが際立つドラマ性と戦争のリアル。サム・メンデスで1番好きな「ロード・トゥ・パーディション」に匹敵するレベルで好きだった。

ロジャー・ディーキンス遠すぎた初受賞からあっさり2度目のオスカー受賞。当然の受賞でしょうこれは。後ろからカメラを追ってたのがいつの間にか前からに移動してたり、水面を走らせるカメラワークだったり、暗闇の中の光だったりロジャー・ディーキンスらしさ全開。照明弾に照らされた光と影のシーンはとんでもなく素晴らしかった。1番長いカットで9分弱だったらしいけどもうなにがなんだか。ルベツキさんとはまた別の美しさがある。美しい。

IMAXで観るべきだったなと後悔した傑作だった。
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