サンタフェ

1917 命をかけた伝令のサンタフェのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.2
撮影がめちゃくちゃよい!

戦争映画を観ようの旅②。いや〜やっぱり近年のバチっと決まったフォーカスの撮影好きなんですよね〜。全編キメキメのカメラワークで最高でした。ただ、ずっとNetflixにあったのでNetflixで観ようと思ったら気づいたらU-NEXT独占になっていて、U-NEXTなので4K HDRでは観れず暗闇のシーンがブロックドットになっていて残念でした。U-NEXT許すまじ。

ワンカット系とは知らなかったのでU-NEXTの説明文で驚きました(実際の構成自体は3カットくらいな気がしましたが)。正直あまりワンカットな意味は感じませんでしたが、上記のように単純に撮影がよすぎたので無問題でした。ただワンカットには、やはりこういった少人数で時間制限ありの任務が合いますね。

細かい戦況や状況がよく分からなかったですが、逆に兵士目線のリアルさが面白かったです。特に方向感覚なんかは塹壕ということもありすぐわかんなくなっちゃいそうだな〜と思いながら観ていました。

主人公たちがわりと敵に対して甘かったり、なんだかんだで絶対に死なない不死身の主人公なんかは少々物足りなさは感じましたが、一方で衣装や美術は申し分なく、途中の兵士たちの遺体などは本当に痛ましく戦争の悲惨さは十分に物語っていたように思います。

カンバーバッチやリチャード・マッデン(ゲームオブスローンズのロブ・スターク)などピンポイントの豪華配役もよかったです!特にカンバーバッチの役は傲慢さと格式の高さが出つつもよくある典型的な愚かな上官というキャラにはなっていなかったのが好みでした。

作品全体の評価としては個人的にはあまりガツンと来るメッセージのようなものは(戦争の悲惨さなども含めて)なく、戦争映画というジャンルを前提とした映像特化型実験作という感じでした。ただ、ストーリーラインもシンプルでこれといった思想も挟まれなかったので映像の魅力に集中できたのも事実。やはりこういう映像特化型の作品があるとジャンル全体の水準を一段上げるみたいな偉大さを感じました。ついこないだ西部戦線異常なし(2022)を観たので余計に思いました。

映像面で戦争映画ジャンルに多大な影響を与えたんだろうな〜!というのが観て実感できました(そういったコメントをFilmarksでよく見ていたので)。
サンタフェ

サンタフェ