ソウキチ

1917 命をかけた伝令のソウキチのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
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全編ワンカット撮影!って賞レース狙いのイロモノかなーと思ってましたが流石のディーキンス、最高。

冒頭、画面に映される二人の主人公はどちらもめちゃくちゃ弱そうで、実際にノロマで間抜けで弱いモブキャラのような主人公達。
最初はどちらが主役かすらわからないし、スター俳優でもないからこそいつ死ぬかわからない戦場のリアルな緊張感が伝わる。

そこから啓示、イニシエーションを経てからの疾走のエモさたるや。
戦争映画というより戦場映画。ひとりの人間の戦場体験を通して詠われた詩篇でした。

戦争映画はそこまで観てきてないですが、こんなに詩的で美しい戦争映画は初めて観た。

究極的にリアリズムと詩情を追求した戦争体験の最後に、カンバーバッチの登場。
あぁこれは映画なのだとホッとする装置にはなっているが、要らない気もした。

映画の最後によくある「◯◯に捧ぐ」ってやつ、パシリムの本多猪四郎以来に震えた。
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