Elijah

1917 命をかけた伝令のElijahのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
5.0
満を持しての初日劇場鑑賞(シネマスコープ版)。
ファーストシーンの草木からラストシーンの草木まで見事なまでに一貫して表現する手腕に脱帽。
仰々しさや感情論ではなく静かに淡々と戦場での日常を訴えかけてくる場面が多く、寧ろその光景こそ観客に現実味を感じさせ響くものがあった。
若手男優2人(ジョージ・マッケイとディーン=チャールズ・チャップマン)を軸に名の知られた英国俳優たちが一期一会的なリレー形式で彼らを役柄と同じくサポートしていく過程にどこか『戦火の馬』を思い出さずにはいられなかった(若干『プライベート・ライアン』の兄弟要素もあったり)。
お目当てのジョージ・マッケイが持つイノセンスな要素が作品に活きていて、自身のことを多く語りたがらないキャラクターと合わせ惹かれつつ、任務を遂行できることを願わずにはいられず。
そして無事に帰路へ着けますように、と。
印象に残ったのは若い兵士2人(スコフィールドとブレイク)ともに出来る限り人を殺めたくない、という信条だったところ。
とかく全編ワンカット風の撮影が話題になっているけれど、そこだけではないものがこの作品には多分に篭められていたので満足いく読後感となった。

追記。
2回目の劇場鑑賞はIMAXデジタル版にて。
物語の筋が頭に入っているので、より映像に没入できた感あり。
ハイライトと言える疾走するクライマックス場面が初見時より圧倒され涙が零れた。
シネマスコープ版と両方を劇場体感しておいて良かったと思う。
うん、これで満足。
サポートする俳優の中で一番印象に残るのはマーク・ストロング。
渋い声と下半身からの登場の仕方が憎い演出で、その美しい軍服姿がなんてエレガントなこと!
思わず「あなたの直属の部下になりたいです」と志願したくなるくらいに。
Elijah

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