普通の映画なたならカットを割ることで物語に緩急を生もうとする。でもこの作品は1カットで主人公に常に意識を向けさせていた分、物語のテンポ感は音楽が担ってる部分がとても大きかった。もたついたりしたシーンは一切なくて、しっかり山あり谷ありな感じで見応えはいっぱいあった。
カメラアングルも良い仕事をしたけど、音楽も大活躍だった。
物語は主人公達が1つの伝令を敵の包囲網を掻い潜ってもう一方の分隊に渡す。それだけではあるけれど、その道中の過酷さや臨場感が凄かった。
溺れそうになったり、撃たれそうになったり、生き埋めになりそうになったり、まだ兵士として間もない若者がそんな危険に晒されることで常に死と隣り合わせな雰囲気があった。
結局は戦争の悲惨さを物語った映画ではあるけれど、それ以上に1つの目的を何としてでもやり切ろうとする生きる力がたぎりまくった主人公を常に1カットで観れるのが何よりこの作品を観て良かった理由。