空色猫

1917 命をかけた伝令の空色猫のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.9
第一次大戦下、1600人の連隊が罠に向かって進軍するのを止めるために前線まで伝令を届けに行く話

全編ワンカットに見えるよう撮られた映画ということにまず驚くんだけど、そのワンカットが映画を見せる上でしっかり機能しているのが素晴らしい。
ワンカット故に観客はスコの極近辺しか知ることができずに映画が進行するため、スコ同様に極限状況下での伝聞情報だけを頼りに前線まで同行しなければならない。この先に本当に敵は待ち構えていないのか、スナイパーがどこからか狙っているのではないかと緊張感が付きまとうし、それら不安と緊張を煽るように音楽が使われる。
スコが気を失うフェーズに入るまで緊張が続き過ぎて見るのが嫌になった。

気を失った後のフェーズの解放と駆け抜けるような展開は目を離せず、前線に辿り着き、前線を横切って大佐の司令室に辿り着くまでのカメラを追うように走るシーンは心配と応援と美しさを同時に感じた。

戦場でのワンカットムービーを体験することで、戦場の恐怖心を追体験でき、それだけで反戦の映画としても機能すると思う。
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