TATSUYA

1917 命をかけた伝令のTATSUYAのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

みなさん、ご存知の全編ワンカット映画を鑑賞してきました〜。
まあ、何度も劇場で予告をみて、めっちゃ走るんやな〜思ってて、ちょっとだけ私の今日の映画観るまでの経緯(09:30〜観ました。)にお付き合い下さい。

映画館の最寄りまで電車なんですけど、09:06発を09:16発と勘違いしていて、駅まで全力ダッシュしました。
命をかけた伝令を観る前に、まあまあ私も走りました(これはレビューの前置きで書こうと意気込んでましたが、いざ書いてみるとわざわざ前置きするほどの事でもなかったです、すみません。)

さて、気を取り直して感想です。
いやぁー、ホンマに終始ドキドキして観てました、WW Ⅰ のお話ということで、非常に緊迫感があり、しかもワンカットが効いてましたね。普通の映画のパッて切り替わるシーンが一切無いので、観ているサイドの緊張も解けないんですよね。まさに主人公たちと行動をともにしている気持ちになれたという点で、非常に新しかったです。
それに俳優陣にも二重の緊張があったように思いました。一つは、もちろん物語の敵地へたった二人だけで乗り込み、味方を死なせない為の、"命をかけた伝令"を遂行しなければならないというもの。もう一つが全編ワンカットでミスが許されないというもの。まあ、どちらにしてもミスは=失敗を意味しますので、そういった点でも俳優陣にリアルな緊張感が生まれたのかもしれませんね。

冒頭、ブレイク上等兵(ディーン=チャールズ・チャップマン)が、上官から命令され、スコフィールド上等兵(ジョージ・マッケイ)を相棒に選ぶシーン。お互いは信頼関係にあることが窺い知れました。それからあの"命をかけた伝令"の命を受け、撤退したというドイツ陣営に踏み込みます、めっちゃドキドキでしたよね。今にもどこからともなくドイツ軍が狙ってくるんじゃないか、と心が休まりませんでした(まあ、結局最後の最後まで休まることはありませんでしたけど)。

ストーリーを通して、「人」という存在が心強くもあり、またとても恐怖にも感じました。
スコ目線で観た時に、ブレイクが命を落とすまで二人でも緊張してたのが、倍増するじゃないですか。その分使命感も増大してましたし。はじめは命令だし、仲間の命のためということもありましたが、ブレイクが命を落としたことによって、伝令は勿論、ブレイクの思いも背負ってまさに二人分の気持ちがスコに宿ってましたよね。
少し前のノーランの「ダンケルク」のように姿を見せない(一部出てくるシーンもありますが)ドイツ軍がめっちゃ怖かったですよね。当たり前ですけど、いきなり撃ってくるし、言葉は通じないし。はじめブレイクは伝令を受けた際、兄貴のためだけに必死になってんのかな、と思ってたんですけど墜落したドイツ兵を助けようとする姿を見て、すごく思いやりのある奴なんだなと思いました。つまりは伝令も兄のことは勿論心配だが、味方を死なせないという強い決意があったと思いました。
スコの心の中でも二つの変化があったように思います。一つは、状況は少し違いますが思いやりの気持ちが闇夜の照明弾から逃れ、たまたま入った半地下のような場所で出会ったユダヤ人?と思われる女性と身寄りのない赤ん坊とのシーンです。ユダヤ人女性が傷を癒してくれたことへの感謝として、赤ん坊と女性に持ち物の食糧を全て与えてました。いくらなんでも全部は…って戸惑ってしまいそうですが、ブレイクの魂なのか、スコにも思いやりはあるとは思いますが、どんな時も冷静だったのに…と思っちゃうシーンでもありました(それだけ追い詰められてたのかもしれませんが)。もう一つはあの伝令が、ただの命令から使命に変わって行く様子があったように感じたのが、やはり最後の味方の群れを横切ってでも、伝令を伝えようとする姿ですよね。前線へ向かうイギリス軍は死へと向かい、第二波に備えた者たちは生、そこの横切るスコは…とか、調子乗ってカッコつけたこと言おうと思ってたんですけど、そっちより映画の世界観に見入ってしまいました。さすが、サム・メンデス。

あのね、全然違うのわかってんですけど、やっぱり最後の横切って伝令を伝えようとするシーンが一番グッときて、その込み上げてくる思いがどこか箱根駅伝の繰り上げスタートみたいに感じたんですよね。
つまり、もう第一波は既に止めようがなくて、それでも必死に伝えに走るスコ。
これがもう間に合わないとわかっていても全力でタスキを届けようとするあの場面と重なったんです…(誰かに伝われ〜)。

もう、マッケンジー大佐はよ出てこいや、って思ってたら、まさかのドクターストレンジ。てか、カンバーバッチ出すぎちゃいます?笑
ちょい前のウィルスミス状態ですよね。笑
後々わかった人も多かったんですけど、脇固める俳優陣豪華すぎません?笑
そっちでも楽しめました。
TATSUYA

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