落伍者

1917 命をかけた伝令の落伍者のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0
崩落する地下壕から逃げ出したり、複葉機が眼前に墜落するカットは出来すぎで目を背けたくなるが、照明弾と燃え盛る炎によって映し出される光と闇のコントラストは息を呑む程美しい。劇場で見れば没入感が全然違っただろう。ロジャー・ディーキンス的一番の見どころ。英国俳優陣でコリン・ファースだけ判別出来なかったが、マーク・ストロングは顔が映らなくても声だけで分かったので笑顔になる。イギリス人監督でアメリカ資本の映画だからこんな感じになったのだろうが、ほぼ無人の塹壕や平原を歩くのは退屈。同じ作りで見てみたいシチュエーションの妄想が広がる(中世ヨーロッパの守備側目線の攻城戦とか、二次大戦ドイツ兵目線の東部戦線とか)。「卵をめぐる祖父の戦争 」がもし映画化したらこんな疑似ワンカットでやってほしい。誤解を恐れずに言えば予算と手間をかけた豪華なタイムスクープハンターみたいな映画もっと見たい。
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