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マーティン・エデンのseiのレビュー・感想・評価

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
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今年度ベストに入るくらい好きな作品や〜やっぱりフィルムは良いなぁ〜。

昨年のヴェネチィア国際映画祭であの「ジョーカー」のホアキンと争い見事男優賞を勝ち取っただけあり終始ルカマリネッリの演技に圧倒されっぱなしの2時間でした。
なんたって目の演技が素晴らしく、序盤の素直に夢を見る優しい青年の目から、作家として成功するも絶望し憂いを孕んだ鋭い目の表現が圧巻やった、、


「牢獄も鍵があれば部屋になる。鍵は愛だよ。」

物語の中でどんどん語彙が増えて自分の世界観や文才を研ぎ澄ませていくマーティンにただならぬ魅力を感じた。

後半に入り作家として成功してからのマーティンが見てられないくらい辛かった。教養を深めていく度に、他者と、時代との間に隔たりを感じてしまう、、。

ラストの砂浜、全てを悟っているような悲壮感漂う背中のカットから海に向かって泳ぎ出す場面がなんとも悲しく切なく儚く美しく涙が溢れてしまった。

「絶望の青春」これ以上のキャッチコピーがあるかな??

原作未読だから読んでみたい。
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