ぶらいとん

オフィサー・アンド・スパイのぶらいとんのレビュー・感想・評価

4.5
【時代性の素晴らしい表現】
衣装、部屋の照明や置物、馬車、決闘🤺など細部まで19世紀フランスを表現していて、見入ってしまった。

【ポランスキー監督だからこそ表現できるドレフュス事件】
監督自身が、ユダヤ人で家族をホロコーストで亡くしている点、妻を突然殺された点、子役モデルレイプ疑惑、アメリカでの裁判中に逃亡して今でも司法を侮辱した罰を償えと追われている点など、が本作の構造と重なる。この時代のユダヤ人差別やバレなきゃいいと思って不倫するモニエとピカール、本作全体に描かれる冤罪を証明するプロセスはポランスキー監督だからこそ描けたものではないか。ポランスキー作品を褒める=レイプしても許されるわけではない。作品と個人はできる限り分けて考えたい。