別れた旦那の元にいる息子が海で行方不明、その海近くで働き10年後に似ている少年と交流。
この二人が並んで歩いているだけでもじわじわ切ない。少年ジャンが友人だと両親に紹介した時の、父母のにこやかな表情はエレナにも昔あった表情だと思うとまた切なくなる。
マセたパリっ子のジャンと若く見えるエレナ…この二人の衣装も、混ざり合わないのに調和していて素晴らしい。黄Tに半デニムのジャン、デニムジャケットに赤ワンピのエレナ。2人のシルエットも全然違うのでそのギャップがとても絵になる。
中盤もたついて、彼氏が仕事辞めさせるの周りめっちゃ迷惑だよなぁとか、あの頼りない元旦那に息子がついたということはエレナにも相当落ち度があったんだろうとか思いながら見ていた。
必死の形相で携帯を握りしめた緊張の冒頭、それがまったく手付かずになり、最後には連絡をとり合う変化。10年かけてやっと少し時間が動き出したのを色々な形でちゃんと表現されている。息子をなくした海で笑顔になれる日がくるって…泣
全員にとって良い終わり方ではないかと思う。
カフェでジャンに声をかけられた時の距離の取り方も良い。2人の距離の詰め方がとても丁寧で美しい。
相手を気遣う「大丈夫」の言葉が優しい。
