6月

ベイビーティースの6月のレビュー・感想・評価

ベイビーティース(2019年製作の映画)
4.8
日記みたいに綴られていく素敵な話
ポップでかわいくて、喪失感でいっぱい
色褪せた日々に突然現れた、色鮮やかな世界をみせてくれるひと、自分とは真逆の怖いもの知らずでかっこいいひと 惹かれるのすごくわかる
区切りごとに出てくるカラフルなタイトルがすごくかわいいけど、終わりに淡々と近づいている感じがして切なかったな
ありきたりな設定といえばそうなんだけど、そう感じさせない
髪が抜けても悲しい演出なんてしないし、病気についても多くを語らない、そして彼女が死に対してネガティブじゃなかったのが印象的だった
本当に全てがモーゼスのためで、モーゼスがいたからこうやって生きられたし、死に意味を見い出せた(これはいいことなのか分からない)

ミラだけじゃなく、皆それぞれなにか抱えて必死に生きてる ずっとぐらぐらしていて、いつ抜けるか分からない乳歯みたいな状態
不確定だけど確定している未来に向かって
いつか、とか言ってる場合じゃないなと思わされた
彼と出会えて彼女の残りの人生がより豊かなものになったのなら、彼女が幸せだったのなら それでいい
人生は長い短いとかではなく濃さというか、誰と出会って何をして何を思ったか そういうのが大切だと改めて思った、でも短い人生は寂しいよ
この綺麗すぎる映像が、寂しさをより一層加速させている
ママとセッションするシーン本当に素敵だったずっと聴いていたい、色んなジャンルの音楽が使われていたけど全部良かったなあ
彼をプロムに誘ったあと、心臓がバクバクで倒れるかと思った!って言うとこ、なんというか等身大で真っ直ぐな恋、ポスターにある通り 恋してる、生きている って感じですごく良かった
どうしようもない彼をさいごのさいごまで思い続け、彼のために生きて死ぬと決めた彼女はすごく強くて でも脆くて、彼女の真っ直ぐな目が好き
たまに彼女と目が合って、ドキッとする

ママを抱きしめるモーゼス
パパの全てを悟った表情がつらすぎる 、もう
最後の浜辺 すごく幸せですごく寂しくて、このどうしようもない感情 うまく言葉にできない、何も手放したくない
ずるいなあ、こんなの最後にもってこられたら泣くでしょ 最後まで観てよかった、よかったけど苦しい

枕で押さえつけられて死ぬんじゃなくて良かった
本当に愛してるって信じてる
6月

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