戦争によって荒み切った世界で
出会った人それぞれがそれぞれの立場で
命の限り生きている中で、
ほんのかすかな、消えかけそうな良心によって
命をつないでいく主人公。
誰の善が本当に善で、誰の悪が本当に悪なのか、
人の死や、悪意に直面するたびに打ちのめされつつ
こんな事あってたまるかと思う反面、
彼の当たり前に生きのびようとする力は
白黒の世界の彼の強い瞳は
今の私にはとても力強く響きました。
限りある命を必死生きるという
当たり前のことを思い出させてくれました。
ラストの二人の話は本当にこの映画を
ただの残酷物語ではないとはっきり示していたと思います。
無数の人間の様々な人生から一つに紡ぎだされて
あのラストシーンがあると思うと
心が安らぐのを感じました。
主人公の気持ちを思うといたたまれない気持ちにはなるのですが
あいつを殺した時だけは本当にガッツポーズしたくなりました。
3時間近くある映画ではありますが、
それぞれのストーリーで区切られていくので
時間が長すぎるなって方も気にならず
見られるのではないかなと思います。