ぎょうざ

異端の鳥のぎょうざのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.7
原題が『THE PAINTED BIRD』なの、本当に悲しかった。
同じ人間なのに、少し見た目が違うだけで差別し、迫害する。
その行為が生き物としての本能だということを、この映画に突きつけられて、どうしようもなく虚しかった。
しかも、誰かによって作られた偏見に支配された、人工的な本能だったりすれば、尚更だ。

その一方で、触れ合った人々によって、人生が成り立ち、人格が形成されていくのだと、改めて考えた。
多くの人から残酷な仕打ちを受け続け続けた主人公が、どんどん生き長らえるために残酷になっていくのを見ていて辛くなった。
「優しくされたら「ありがとう」って言いなよ!」と心の中で叱ってしまったけど、そんな礼儀すら、誰かに教わらなければ、彼の中には生まれない。
私たちは恵まれた世界に生まれて、こうやって暢気にFilmarksに長々レビューしたりしている。
そんな日常が多くの優しい人々との出会いに与えられたものであると感謝しなくてはいけない。

私に出会ってくれた優しい人たち、本当にありがとう。
そして、そんな当たり前だけど大切なことを改めて教えてくれたこの映画、本当にありがとう。

今、私も辛いことに押し潰されそうだけど、出会った人からきっと学んだことがある、そして人として成長できると信じて、前向きに、諦めずに生きていこう。

いやもう、映画の感想なのか何なのか分からなくなってきたな。
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