さかたむ

異端の鳥のさかたむのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
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土に埋まって頭だけの少年がカラスと対峙している描写があまりにも衝撃的で思わず手に取ってしまいました。内容も悪い意味で物凄いです。問題作の位置付けでしょうか。原作未読。発禁の書が奇跡の映画化なんだそうな。169分で長い上映時間に加えてのモノクロ作品。おまけにセリフ少なめがベースにあった上での、残忍、虐待、迫害、グロさ、暴力といった人間の悪の部分、黒い闇の部分が主人公の少年に向けてこれでもかと言うくらい襲いかかってくる感じです。たらい回しにあいながら、それでも生きるために必死に堪え忍ぶ少年がもう不憫で不憫で。思わず目を背けたくシーンも非常に多かったです。未知なものや異物、異端な事に対して人間は本能的に恐怖を覚え、排除する行為に及ぼうとする様が作品を通して強く表れていたように感じました。とにかく長いし、過激なのであまりお薦めは致しません。ただ、鑑賞したら間違いなく記憶には残るそんな作品です。記録。
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