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異端の鳥のusagiのネタバレレビュー・内容・結末

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開したての頃見たかったけど評価を読んで怖気付いて見れなかった映画。ようやく見れた。

見てよかった..!3時間の長尺かつモノクロ映画、音楽も無いので耐えれるか?と思っていたけど、あっという間に終わった。

純粋で子供らしかった少年はあまりにも酷い経験を通して闇落ち、怒りや憎しみの顔つきに変わっていく。その様をセリフなしで目で表現する演技は、最近見た「ケイコ目を澄ませて」の岸井ゆきのを超えているのではと個人的には思った。(もちろん岸井ゆきのも素晴らしかった)

環境って良くも悪くも本当に人を変える。少年だけでなく、この映画に出てた残虐な人達は戦争が変えてしまったんだろうな(と思いたい)。そんな中でも手を差し伸べてくれる人はいて、本当に立派だと思う。私はその時代にいたらどっちになっていたんだろう。正しい選択をできる自信はないな..。

最後、少年が自分の名前を窓ガラスに書いた時、ようやく1人の人間として尊厳を取り戻せたのかな。少年がこれからどう成長するのかは分からない。純粋だったあの頃にはきっと戻れない。でも、少なくとも最後は救いのある終わり方でよかった。
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