ここりん

異端の鳥のここりんのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.9
一瞬、見ただけで強烈な印象を受けたポスターだった。映画はそれを上回る、というか言葉にできないほど。よくぞこれだけの苦難が10代そこそこであろう少年におきたと思う。次々と襲ってくる試練。立ち向かわないと生き延びていけない試練。感情をあらわにする事もなく、どうかすると淡々として見えたがその眼差しには、試練を乗り越える度に少しずつ強さ、たくましさ(純粋な意味での強さやたくましさではなく)が見えてきたように思った。が、これほどの体験をした少年はこれから先どのような人生を送るのだろうか?



ここからネタばれ

これとにたような内容でホロコーストのなかでナチスの中を生き延びたユダヤ人少年を描いた映画があったがラストは幸福感に包まれた。
この作品も最後にお父さんと出会い、幸福感に包まれてもいいはずなのだが、そうではなかった。ただバスの中で自分の名前を窓に書いたりするシーンで少しだけ救われた。
目を覆いたくなるシーンの連続と上映時間の長さと後頭部の背もたれのない椅子に疲れたが観て良かった。カラーでなくモノクロで良かった。

ジュリアン·サンズを久しぶりに観たが英国美少年の面影は何処へ?
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