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異端の鳥のumekoのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
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モノクロ画面からビシビシ緊張感が襲ってきて身動きできないくらい隙のない3時間だった…

観る前から私の幼稚な脳内で、想像でき得るむごい事は覚悟して挑んだのだけど、息も出来ない苦しさがひたすらひたすら淡々と描かれる。

空や自然、冬の景色、樹々の影、川を船で渡るシーン、稲畑をゆくシーン等、溝口健二ばりに綺麗なのだけど、その美しさと執拗な残忍さの対比が本当にえげつない…
(同様にタル・ベーラもフラッシュバック)


英題の『painted bird』のシーンも鮮烈に残る。
(父親のほのめかしはあるが、実際彼がユダヤ人かは分からない。そもそも現代において〝ユダヤ人〟の定義とは?)

無慈悲な迫害を受け続け、
少年が生きるほどに彼の眼差しは狂気的に鋭く光ってゆく。


彼の重い沈黙に、何を想うか問われている気がします


以前から人工言語のエスペラント語に興味があるので、今回インタースラヴィック語が使用されている事についてもしっかり考えようと思う。
パンフ買ったので少しづつ読もう。
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