うなぎネコ

異端の鳥のうなぎネコのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.8
10代の頃、東部戦線にハマり
ナチの人体実験や、コサック兵の文献を読み漁ってました…。
その時代を知る友人から「この本はうなぎ案件」と激推しされてて
映画も観てきました。

長い!いらんカットも多い。
けど引き画が美しく、荒涼とした没頭系なので、
映画館で観て正解。(家やと寝るかも)
モノクロで静かで、残酷な世界に耽溺できます。
音楽の演出が効いてる…。
東欧系エスペラント語にしたのも粋。
  
隣の初老夫婦が「うわっ!」とか「かわいそ~」と終始うるさかったけど、
コッチは内心で「コサック兵キターーーーっ↑」とアガってた。

お涙頂戴や大義のために戦う「戦争モノ」ではないですからね、コレ。
(社会全体として)個人が尊厳を奪われた状況において、
ヒトが人でいられるためには結局
何が必要なのか、という問いかけだと思う。
(獣やケダモノや鬼や悪魔ではなく)

この世界観がイケる人には
下記の小説がおススメ。(映画もあるけどイマイチ↓)

■「魔王」ミシェル・トゥルニエ
※よりアッパーな世界観
■「悪童日記」アゴタ・クリストフ
※超有名。散文テクノのようなリズム感
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