Kientopp552

みをつくし料理帖のKientopp552のレビュー・感想・評価

みをつくし料理帖(2020年製作の映画)
2.0
 料理・クッキングものに、関西風の商人(あきんど)成功物語を組み合わせ、更に時代設定を19世紀初頭の江戸時代に持っていった、関西人原作者の、ストーリー構成の思い付きの妙には脱帽する。しかも、それが、関西の味覚文化と関東のそれとの対照として提示されるとすれば、原作が当時の日本において大ヒットしたのも肯ける。

 本映画は、この大ヒット作を原作にして撮られているが、原作の漫画版、TV版(しかも二本)が既に存在している中、2020年に劇場版を今更撮る動機は、製作者兼監督でもある角川春樹に聞くしかない。10巻ある原作を映画脚本としてどうまとめるかは、TV版との比較もされるであろう、角川自身も入っている映画脚本化チームの腕の冴え所である。果たしてこれが成功したかは、原作を読んでいない筆者には判断外にある問題であるが、映画の出だしで、澪(みお)の、大阪での子供時代のエピソードの一つが語られ、そこから一挙に10年後の江戸に飛んでストーリーが展開し、澪の過去は、カットバックで語られるという手法は、よくある手ではあるが、効果的であるとは言える。
Kientopp552

Kientopp552