“落ち葉の月”に生まれた、ブラッド・ピット演じる次男のトリスタンは、幼い頃からネイティブ・アメリカンの文化に関心を寄せ、ワンスタブから戦士としてメンタリティーを学んで成長していく。モンタナで家族と共に暮らそうとするも、第一次世界大戦へと向かう歴史のうねりの中で、彼の戦士の血は弟サミュエルの戦死に始まり、スザンナ、イザベル・トゥーと、愛する者たちとの別れをもたらす。ギャングを殺害したトリスタンは、文明社会から離れ、大自然の中で戦士として、ハンターとして生き、晩年には宿敵のグリズリーと戦ってその生涯を終える。
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」と同じく、ネイティブ・アメリカンの文化への肯定的な眼差し。
また、父親のラドロー大佐が体現する、政府に対する不信感。
美しい映画だが、トリスタンの生き方は決して本流にはなれない。どこまでも亜流に留まる。
酷なようだが、ネイティブ・アメリカンから奪った大地で築き上げてきたものを決して手放さない、白人の夢物語に過ぎないのではないだろうか。