EDDIE

レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想いのEDDIEのレビュー・感想・評価

3.7
「俺は神を呪ってやる」
壮大な美しいロケーションに息を呑むオールドウェスタン。キャラクターが憑依したかのようなブラピの怪演は必見。

何とも共感しがたい物語。
争いの絶えない政府と先住民らとの生活から抜け出し、モンタナの自然溢れる片田舎に暮らすラドロー一家。
大黒柱である父のウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)を筆頭に、長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)らが一つ屋根の下で暮らしています。
まぁこの話のエグいところは1人の女性に兄弟全員が惚れてしまうところですね。
三男のサミュエルが婚約者として連れてくるスザンナ(ジュリア・オーモンド)がこれまた美しい。いやぁあんな女っ気ないところにこんな美人が現れたら男たちはたまったもんじゃない。けど、弟の婚約者ですからね。
そんなスザンナが旦那の実家にやってきたと思いきや、旦那と次男のトリスタンは戦争に行ってしまうわけですよ。

これいま考えるとだいぶひどい話ですよね。旦那の実家で1人、その旦那の家族と暮らさざるを得ないわけですから。しかも旦那は戦争に向かっていない。心労ハンパないはずです。
そんな戦争に行く直前にあんなことなっちゃうもんだから、旦那のサミュエルはたまったもんじゃないです。

ただこの戦争のシーンがまさにブラピのベストアクトではないかというぐらいの怪演が見られるので満足感は高いです。
地上戦が続く最中、サミュエルは蜂の巣状態で銃殺されてしまうんですが、この後にブラピが放つのが冒頭のセリフ。
愛する弟が目の前で惨殺され、気が狂ったかのように覚醒し戦場で大活躍するトリスタン。演出的にエグすぎる部分もあるんですが、ブラピがたまらなくカッコ良かったですね。

結局その後郷里についてもトリスタンはつらい目にばかり遭います。妻や子宝に恵まれながらも次から次に巻き起こる悲劇。
結末の幕の引き方は良かったと思いますが、なかなか本作はキャラクターに感情移入がしづらく、私は高評価を躊躇ってしまいます。
基本的には壮大で美しいロケーションとブラピの演技に対する評価でございます。

※2020年自宅鑑賞22本目
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