『羊飼いの風船』を観て、中国の一人っ子政策についてよく分かっていないことに気づき、このドキュメンタリーを昨年の大晦日に観ました。
後悔しました。
いつみるかは問題ではないけれど、いい気分には絶対にならない。
でも、これが真実の一端なんですね…。
気持ちの置き所が、わからなくなる。
一人っ子政策はとても厳格だったそうで、二人目の子どもの堕胎を拒むと家の屋根を剥がされるなどの嫌がらせを受けたそうです。
しかも堕胎のタイミングが妊娠7・8ヵ月だと聞いて、なんか、もう……。
一人っ子政策は、食料飢饉に備えた国の方針。「従わなければ、みんなが飢え死にする。仕方なかった」と当時を振り返る人の胸中を思うと、やるせなさでいっぱいに。
コンドームは田舎には流通していないか、売っていても高くて買えないのか?
事情がわからないので、避妊しないの?とは軽々しく思えなかった。
政策の厳格化で、新生児の置き去りも多発。それに目をつけて里子ビジネスをした男のインタビューと、捨て子だと知らずに養子縁組で子どもを引き取ったアメリカ人夫婦のインタビューは興味深い。
夫婦に引き取られた子が、愛情たっぷりに成長していたのだけが本作の救いでした。
監督はアメリカに渡った中国人の女性。
在米中国人の視点で描かれているので、深い視点にもフォーカスしてます。
でも、ゴミ袋に入れられ廃棄された胎児の死体はみるに耐えない。
あの映像を我々に見せた目的はなんだったのか。
中国の政策への反発ですか?
ジャーナリストとしての使命感ですか?
監督に問うてみたいです。
その後、国は一人っ子政策を廃止し、突如、二人っ子を推奨するように。
街に掲げられた一人っ子推奨の看板が雑に修正されていて、虚しさが込み上げました。
他国の政策に良し悪しを言うつもりはないけど。。。
日本に生まれて良かったな。