２回目の鑑賞。
本作は、ポスターの家族写真から連想される理想の家族や美しいラブストーリーとはかけ離れ、アダム・ドライバー演じる舞台監督チャーリーと、スカーレット・ヨハンセン演じる舞台女優ニコール夫妻の「離婚」を通じて、まさに逆説的に愛や結婚を描いている映画である。
監督として名を上げていくチャーリーとは対照的に、徐々に名映画女優から舞台の一構成員になっていくニコールの中には「人生の主役であり続けたい」という思いが溢れ出し、愛とは全く別の次元でチャーリーと共に生きていく事は出来ない事を悟り、ニコールは離婚を決意する。
好きと結婚は別の話だよ。どこかで耳にした事のあるこの言葉を、ここまで真剣に考えた事はなかったけれども、考えずにはいられない。
相手から「何かを得たい」ではなく、「何かを与えたい」と少しでもお互いが思えればきっとまた違った未来があったんだろうな。
それにしても、靴紐を結んであげたり、優柔不断な夫のためにメニューを決めてあげたり、所々に見られるお互いを思いやる行動が、二人の間には確かに愛が存在するんだなと観るものに感じさせ、本当に切ない。。
