クリス

マリッジ・ストーリーのクリスのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.6
タイトルに反して「離婚」までの経過を淡々と、しかし濃く描いた映画。
脚本やカメラワークなど見どころは多数あるけど、何といっても、役者の演技のすごさが目立つ。
特に夫役のアダム・ドライバーが個人的にはベスト。後半の夫婦の口論のシーンは精神にくるものはあるけど必見。
この映画のラストを観終わったとき、どう捉えるかは人によってポジティブ、ネガティブ等、色々な感想を持つと思う。

基本的に時系列はそのまま、余分なシーンなどはほとんどないことからストーリーも難解になることはないので色んな人におすすめ。

ーー以下ネタバレ(長文)ーー
この映画の特に秀逸な点は、最初に夫婦のお互いの長所を述べるというシーンを持ってきて、映画全編を通して違和感なくセリフや行動などに表れる点だと思う。(これによって夫婦それぞれにある程度感情移入ができるという部分を含めて。)

ちょっと気になったのは、メイン2人以外のセリフや行動がユーモアを演出しようとして(これが効果的な場面もあったけど)、何となくリアルな雰囲気から外れるように感じた場面があったこと。

最後近くの口論のシーンは代表的なメンタル破壊の場面だったけど、個人的に一番胸が締め付けられたのはナイフのシーン。
この一場面で、チャーリーの精神的な痛みが身体にまで影響を与えるほど大きいこと、「妻からもらったナイフ」のトリックが失敗したことで、関係が戻せないこと(考えすぎ?)を表現しているように感じた。
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