１組の夫婦の離婚調停の過程を見せていく話で、なんだかジーンと来た。
優しいBGMに乗せて夫婦が互いの長所を褒め合うのが実は離婚調停の前準備の段取りと分かる冒頭から、最初は弁護士を立てず夫婦で話し合う筈だったのが腕利き弁護士が登場し、だんだんと泥沼の抗争になって行くのがリアルで怖かった。
争う中でもところどころ夫婦らしさをのぞかせる場面があり、もしかしたら復縁するんじゃ？って思わせるけどやっぱりダメなものはダメなんだってところが切ない。
事が済んで、劇団員との食事でいきなりミュージカルみたく歌い出すチャーリーの歌が沁みた。
ラストは何とも言えずほろ苦い感じに終わって後味が良い。
主演二人の演技がまあ素晴らしく、アダム・ドライバーはスターウォーズで初めて見た時のイマイチな印象からは考えられないほどいい役者になったよね。
ローラ・ダン演ずる腕利き弁護士がまたすごくて、裁判における男女の扱いの差をキリスト教になぞらえてまくし立てるシーンの迫力ったらなかった。
裁判で有利になるよう相手のちょっとした落ち度をあげつらうところとか、息子が何となく父親に懐いてない感じが「クレイマー・クレイマー」思い出す。離婚劇といえば「ディボースショウ」もあったね。あそこまでじゃないけど、本作もちょっとコメディタッチが入ってた。
