心温まる感じのストーリーだと思って観たら、かなり苦しいお話だった。
「離婚」をきっかけに変わっていく夫婦の関係。愛、それぞれの役割、可能性、憎しみ、修復、仕事、子ども、ほかに何がキーワードとして挙げられるだろう。
ある意味これが「本当の」離婚なのかなとも思った。愛し合って、搾取しあって、お互いにかけた時間や気持ち。それぞれの我慢と、「夫婦だから」というおごり、その先に待つ破滅。
お互いの我慢なしに、どうやったら成り立つんだろうね。円満な夫婦とか、円満な結婚生活とか。そんなもの存在するんだろうか。「離婚するかしないか」という選択に至るまでの経緯は、状況は違えどどの夫婦もほとんどこうなんじゃないかと空恐ろしく。
スカーレットヨハンソンの目を見張るような演技…。弁護士に自分の気持ちを吐き出すように語る、それでいて「女優」の感じが抜け切れないあの語りは、画面に目が釘付けになった。
それから、アダムドライヴァーって、わたし全然知らなかったんだけどすごく有名な俳優さんなのね。作品きちんとチェックしたい。
最大の見せ場は2人の言い合いのシーンだと思うんだけど、もう、本当に、本当に本当に本当に、こちらがものすごく消耗してしまうほどの…。気持ちがあまりに擦り減るので、しばらくは観れないなと思った。
今円満な夫婦や、結婚前のカップルなんかで観るとまた良いのかもしれない。