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マリッジ・ストーリーのrrのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.2
わたしは今お芝居を見ていることを忘れてしまって、大切な2人が目の前で大喧嘩をしている、離婚してしまう、という気分になった。
それくらい、主演のスカーレットヨハンソンとアダムドライバーが繰り出す夫婦喧嘩のリアリティがすごい。

そしてわたしの中でローラダーンが出ている映画は必ず良いという説がまた濃厚になった。彼女こそ名脇役。
開始20分でハイヒールにタイトジーンズで年齢を感じさせない美スタイルをこれでもかと見せつけながらも『こんなひどい格好でごめんなさいね』なんて言っちゃうノラ役のローラが出てきた瞬間で、この映画が最高だということが確定しました。敏腕弁護士のバリキャリ感満載なのに優しく包んでくれるノラの絶対的信頼感と包容力。あのタレ目でハニー大丈夫よって言われたらどんなどん底でも大丈夫と思えますよね。人生経験豊富で過去に影がありそうな優しい中年女性の役がまあ似合うこと!

主演の2人に話を戻そう。
物語序盤でニコールがノラに夫への不満をぶちまけるシーン。積載された文句を口に出すことで、段々と崩壊していくニコール。徐々にヒートアップしていく様子がとてもリアルだった。
そして、1番の見所は(1:32:39)頃からの2人の口喧嘩シーン。あれほどに長い台詞をノンストップで自然にこなせることが凄すぎる。夫婦喧嘩にありがちな”言った言ってない”闘争。不満を口にすればするほど昔の嫌な思い出が蒸し返してきて、やれあの時のあんたはああだっただの、やれあの時僕はこうだっただの、あなた方2人は長年を共にした本当の夫婦だったんですか?とも思ってしまった。最後の方には思ってもいない酷いことを言ってしまったり、泣き崩れてしまったりと、胸が痛くなるほど刺々しくて、お見事なリアルな大喧嘩だった。主演の2人は、映画中には描かれていない夫婦の長年の歴史を隅々まで共通理解していたんだろうなーなんて思ったり。
もう一つのお気に入りシーンは(2:00:55)頃のチャーリーが劇団の同僚達との飲み会で歌い出すシーン。『誰かが僕を深く傷つける 誰かが僕を求めすぎる 君は僕を知りすぎている 僕は気づく。僕は生きている』この歌詞を感情的に歌うチャーリーにニコールへの想いが溢れてた。めちゃくちゃむかつくし、振り回されるし、大嫌いだけど、ニコールがいないと生きている心地がしないと初めて分かるんだよね。ああ、ツライです、、!!
この映画のエンディングでは2人は離れたままだったけど、いずれまた2人が一緒に暮らしてくれるんじゃないかなぁと最後の手紙のシーンで思えました。愛ってむずかちい。
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