序盤、物語は相手の好きなところを言い合う場面から始まる。それを見ているととてもいい夫婦であり、いい父親、いい母親。なんなら少しほっこりすらする。場面が変わって離婚のカウンセリング中だと気づくと、観客の気持ちは「なんで別れちゃうの?」という悲しい気持ちに変わる。なんて掴みの秀悦さ!
好きなだけではどうにもならない。
ニコールがなぜ離婚を考えたのか、それがすごくリアル。やっぱりパートナーには自分の気持ちを一番理解していて欲しい。女としても人としても尊重していて欲しい。独身、結婚、妊娠、主婦。ステージごとに環境の変わる女性だからこそ葛藤することが多いのかなと思いました。
2人が口論するあのシーン。
魂のぶつかり合いのような言い合いに胸が苦しくなって泣きました。傷つけ合う、ってこうゆうことを言うんだなと自分も体感した感じ。
それ以外にも一緒に門を閉めるシーンなどお気に入りのシーンもあり、寂しいのに不思議と穏やかな気持ちになる作品でした。
ラストは夫婦とか家族という枠を超えて、新しい関係性に変わったのかなと思える、ポジティブなものに映りました。