ボロロボ

マリッジ・ストーリーのボロロボのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.8
切ないなぁーーーーーーーっ!
切ないけど、ゴングを鳴らしてしまった以上、離婚ボクシングは優しく静かに始まり、ラウンドが進むにつれじわじわと双方手数が増えてゆく・・・。

別れる必要などなかった二人だと思う。
お互い遠慮なく本音でぶつかり合うこと(スパーリング)を日頃からやっていれば・・・

父チャーリーはまっすぐ過ぎ(隠れ支配型)。
母ニコールは欲張り過ぎ(隠れわがまま)。

子供が親のエゴの犠牲になっていて。
息子ヘンリーは彼なりに何とか両親を繋ぎ止めようとしていて、それもまた切ない。ラスト、ニコールとチャーリーはそれに気付いたのかなあ・・・。気付いてなさそうだから、この作品はひたすらに切ない。
【自分自身が最優先】というエゴは、主人公夫婦だけではなく、登場人物のほとんどにも当てはまるように思う。少しでも相手や第三者に寄り添ったり気遣ったりできれば・・・なんて書いてる私自身もさてどうだろうか、人のことを言えなさそうだなあ・・・
(^_^;;;;;)

弁護士のクソっぷり。ノラもジェイもクソなんだけど極めてプロフェッショナル。プロだから然るべき対価を求める。対価もらえるとなったら、リングに上がってファイトしなきゃならない。彼らは一流のプロフェッショナルファイターであり、相手を研究しつくしていて、武器の使い方と闘い方を知っている。
逆に人情派弁護士バートは冴えない。ファイトしないから。強烈なパンチを喰らって、自分から有効打を出せないままでは判定ポイントを稼げない。しまいには依頼人へ責任転嫁する始末。デキる人情派弁護士なんかいない、そんなものいらない、ということなのか・・・結果を出すためには。

ローラ・ダーン、祝アカデミー助演女優賞受賞! ヤな女性弁護士を見事に演じきっていました、素晴らしい!

イライラするチャーリーを見ていると、SWのカイロ・レンと被る・・・あちこちオマージュしてるよなあw パーキングチケットを取れないシーンとか、キレてカベに穴開けたりとか。
「ビーイング・アライブ」を歌うシーン、ステキでした。

スカヨハ、まさかの靴ひもシーン! 「ジョジョ・ラビット」繋がりなのか、それともたまたま??

画面全体のトーン(ざらつき感)も良かった。

この離婚ボクシングは、TKOだったのか、最終ラウンド判定により勝敗はついたのか・・・判定引き分けで規定により母性防衛、ということか・・・
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