TsubasaYamamoto

マリッジ・ストーリーのTsubasaYamamotoのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.1
愛し合っているし、尊敬し合っている2人だからこそのぶつけ合い。でも子どもがいなかったら、こんなふうに緩やかにつながり続けることできないのだろうなと思うと、やっぱり子供を持つことって特別なことだなぁと、沁みました。

顔のアップショットが多くて、感情の機微のリアルさが役者にはとても求められる映画だし、こちらにもそのエネルギーが伝わってきて、主張しすぎない音楽の引き立ても含めて、舞台のようだった。負けず嫌い、と互いに相手のことを綴っていたけど、相手に勝つことではなくて、ただ自分が自分らしくありたい、愛するものを愛したいっていう気持ちだけで、だからどうにもならなくてもどかしいのだなーと特にニコールと勝つことで生きてきた女弁護士ノラとの対比で感じた。勝つことより、難しいことがある。

ニコールがチャーリーの代わりに注文するシーンや、最後の靴紐のシーンは秀逸。ああいうことで表現出来ることの多さよ。突然の流血びっくりしたけど、1人、を象徴的に描いてたな… 牛乳こぼしていくのもよかった。

being aliveという曲に出会えたのも良かったです。真理すぎた。仲間から離れて1人で歌うってところも、一方でニコールが家族と楽しく歌い踊るシーンという対比もすごかったです。しんどいシーンは多いけど、不思議と前向きになれる映画だった気がします。