Femind

マリッジ・ストーリーのFemindのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.6
淡々としているのに、こんなにもエモーショナルで愛に溢れた作品だとは思わなかった。
スカヨハのママ役は、板についていて、母親である中にも一人の人間としてのキャラクターがしっかり感じられるのが今作でも見られて嬉しかった。

お互いを罵り合うシーンの凄まじいリアルさは圧巻の一言。
本気でお互いへの憎しみと愛情が入り混じったうねりがぶつかり合い、演技に見えない強い感情がガツンと伝わってきた。
罵倒し合っているのに、本当はこんな事を言いたいわけじゃない、何でこんな事になってしまったのか、というねじれた心をお互いが同じ量だけ持っているのが表現されていて、第三者の立場で見ながらもひと組の夫婦への感情移入が半端なく泣かされる。

罵りあった後に号泣する夫の肩に手をあてて涙するシーンは、お互いの気持ちが似ていて分かるからこそ、夫婦として歩んできた二人の時間の強さからの慈しみが溢れていて素晴らしかった。

米国の司法はおっかねぇなぁ。
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