Hailey

ハニーボーイのHaileyのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.2
“You fuck my son?”
“You fuck your son.”
That was so damn right.

シンボル的な描写が多くて、1995年と2005年のOtisが重なり合う編集が技術的に面白かった。
道化の父、ニワトリ、喫煙、女の子、プール。
12歳のOtisを演じたNoahは将来有望すぎる。Lucasは感情をぶちまけたり葛藤する演技が上手いので、後半2人(1人役だけど)の感情が共鳴するシーンでは感情の放出方法が似ていて、しっかり同じ人間の違う時代に見えた。
まず見ていてとても痛い。苦痛。それでもずっとシャイアが実の父を演じていると考えながら見ていると、もはや2人のOtisだけでなくて3人が同一に見えてくる。最初から最後までfather figureとして最低なんだけど、最低な部分を良い親子関係かのように、良い思い出かのように見せる演出は皮肉と切なさを感じた。
シャイアが父親から受けたかった愛情、
受けられなかった愛情、
代わりに受けた痛み、
厳格さを履き違えた父親は
突き抜けて最低というよりもむしろ、
中途半端な厳しさが不安定で怖くもあった。
彼の俳優人生にフォーカスせず、
モーテルの小さな部屋で繰り返す毎日で
Otisの視点から父親の輪郭をなぞる
Honey Boyという繰り返される呼び名の
解釈をしばらく考える。
日本で公開するとしたらhoney boyはタイトルも呼びかけもどう訳されるのか不安(笑)

@ Arclight Hollywood
Hailey

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