ハリウッドで活躍する人気子役のステージパパを気取るのは責任感皆無で破滅的な性格の人物で、経済的に息子に依存しながら、めちゃくちゃな言動で幼い息子を振り回す。そんな父でも子は慕い、愛を求めてもがき続ける。
脚本を手がけたのは問題児として知られるシャイア・ラブーフ。彼自身の体験がもとになっているというから驚く。破天荒な父との暮らしによるトラウマはさぞ大きかったのだろう。
そんな難しい役をノア・ジュブが見事に演じている。「クワイエット・プレイス」でもかわいいと思ったが、この作品ではかわいさが倍増。思春期の入り口に立つ少年の持つ甘酸っぱい魅力にあふれている。そしてときおり見せる暗いまなざしに胸が締めつけられる。
今回、問題の父親役で出演したシャイア・ラブーフは響きのある声が印象的だった。今後は舞台などにもぜひ挑戦してほしい。
