面白いなんて言えない映画。
現実だけが持つ圧倒的な描写で打ちのめされる。
ロシアと共に攻めてくる独裁のアサド政権vs.湾岸諸国の支援を得た反政府組織…そこにイスラム国まで勢力を伸ばし、泥沼でカオスな戦争…というのが俯瞰的な説明。
だが、彼女が語るのは必死に負傷者を診る医師の夫、生まれたばかりの娘、気のおけない友人、無邪気に遊ぶ子供、家族を亡くし泣き叫ぶ人々、砲撃で壊れた自宅の庭…といった人間一人が知覚できる半径の物語。
家族や自信の命をかけて守りたい場所…というものに自分はピンとこない。
こないんだけどその気持ちを想像することをやめないようにしたい。