あらんすみしー

ラスト・クリスマスのあらんすみしーのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

王道ラブコメと思いきやラブコメを切り口に、難民やホームレス、セクシャリティといった現代的な視点もある一作。

まぁポールフェイグが監督、という時点で
そりゃラブコメで終わるわけがない。
深いラブコメ。

冒頭でかかる一曲、ジョージマイケル
healthepain の歌詞
Be good to yourself Cause nobody else
Has the power to make you happy
にもあるように、
作品自体にも、自分を幸せにできるのは他の誰でもなく自分だよ、という救いのメッセージがある。

そしてクリスマス映画だからこそ
エマトンプソン (脚本も担当)は
誰かにとってギフトとなるような
救いとなる言葉を選んだのだと思う。
エマトンプソンの愛がつまっている。

それこそがきっとクリスマスプレゼント。
「“普通”なんて、人を傷つける愚かな言葉だ」

ありもしない"普通"という虚像のせいで
自分の行動や感情を左右されるなんてもったいない。ほんとうにそう思う。


ワム! のラストクリスマス
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Last Christmas
一年前のクリスマス
I gave you my heart
僕は君に愛をあげたんだ
But the very next day you gave it away
でも君は次の日にそれを捨て去った
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という歌詞、
映画の中では最終的に
「一年前のクリスマスの日、僕の心臓を君にあげた。でも君は繋ぎとめた人生を捨ててしまっている」
っていうダブルミーティングになっててぶったまげたぞ。

これはこの曲ありきの映画だ。
そうきたか、という捻りがなんとも
ポールフェイグらしいような気もする。
ちょっと毒のあるセリフのやりとりも
彼らしく、軽妙でウィットに富んでいる。


キャスティングもめちゃくちゃよい。
アジア人が主要キャストを担っているのもそうだけど、トランスジェンダー俳優もキャスティングされていて多様性に富んでいる。そしてそれをサラッとナチュラルに描くのが魅力的だなと。