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バーナデット ママは行方不明のleylaのレビュー・感想・評価

3.7
ケイト・ブランシェットが母・妻・建築家という役で「TAR」とは全然違うチャーミングなキャラを作り上げています。ケイトはやっぱりいいですね〜。南極に行くというのも新鮮で楽しかった。

建築家が“創造”の現場に戻るまでの再生と家族愛の物語。

若い頃に天才建築士として名を馳せたバーナデットは、あるトラブルがきっかけで今は専業主婦をしている。

人間嫌いだけど子育てには成功し、娘とはいい関係を築いている。その娘が卒業とともに遠くの学校に行ってしまう。芸術家肌の母だから、娘の進路には口出しはしないけど、実はストレスの一因なのかと思う。仕事も子育てもなくなればバーナデットはアイデンティティまで無くしてしまう…

「創造しなきゃ、社会の厄介物」というセリフ通り、ご近所迷惑でヤバイ人になっていく。そんな矢先、家族で行くはずだった南極で再び仕事への光を見出す。

時間をテーマに撮ってきたリンクレイター監督が、今作では止まった時間が再び動き出すことを描いている。

リアリティに欠けた展開で私にはピンと来なかったけど、コメディとして観れば許容できる。家族のハートウォーミングな作品であることは間違いないと思います。テンポよく内容を詰め込み過ぎて、早口で喋るケイトの顔しか記憶に残らなさそうですが…

エンドロールで♪Time After Time♬をバックに、南極基地が建てられていく映像と、「ゾウさん」を尺八で演奏する娘ちゃんのシーンが好きでした。
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