バブルマン

痛くない死に方のバブルマンのレビュー・感想・評価

痛くない死に方(2019年製作の映画)
4.7
2021年、劇場鑑賞19本目。

生き方と死に方。
この映画のタイトル『痛くない死に方』は、死に向かい生かされるのではなく、死への向かい方を家族と考えることに繋がるのだと思う。

在宅医療に従事する医師の河田は機械的に処置を行うだけの冷たい医師で、どう考えてもこんな対応の悪い医師に大切な人を預けたいとは思わない。
担当した末期の肺ガン患者が亡くなり、娘の言葉で思い知らされ、尊敬する先輩に諭されながら変わっていく。

話は2年後。
そこには別人のような河田がいた。
末期の肝臓ガン患者の本多(宇崎竜童)と出会い、物語の核心に入っていく。
宇崎竜童さん演じる本多さんが何とも愛おしい。
本多さんと河田の川柳もどきが笑いを誘う。

「自尊心
紙のおむつが
踏み潰す」

わたしのお気に入り。

本多さんは最後の最期まで格好良かった。
「完璧だよ、あっぱれだ、本多さん」
亡くなった本多さんにかけた河田の言葉。この言葉が全てを物語っていると感じた。

人は亡くなった時、最後まで機能を失わないのは耳だと聞きます。その時に亡くなった方にかけた言葉はきっとその人に届いているに違いない。

もし誰かを看取る事があったら、「ありがとう」と言ってあげて下さい。必ず伝わります。

いつか訪れる家族とのお別れの前に見て欲しい映画でした。

「人間を好きになれ」
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