memo

NO SMOKINGのmemoのレビュー・感想・評価

NO SMOKING(2019年製作の映画)
5.0
インタビュー、舞台裏、コンサートの映像などなど、ファン必見のドキュメンタリー。近くの劇場で上映がなくて、泣く泣く諦めていた映画でしたが、いつの間にかU-NEXTで配信されてました!幸!わたしが細野さんの音楽と出会ったのは『メゾン・ド・ヒミコ』でしたね。その頃、わたしは邦画を積極的に観ていた時期で、悲しいシーンや感動的なシーンで観客の感情を思いっきりかき立てて泣かせようとするようなBGMばかりで(作り手が感動させたいシーンで泣かせにかかり、強制的に観客の感情を決めつけてくるように感じていた)少し飽き飽きしていたのですが、『メゾン・ド・ヒミコ』はその場面とはあえてスッと外す感じの音楽で、とっても軽やかで、観客に感情を委ねてくれているように感じられて、なんだこれは!と当時のわたしには衝撃的な出会いでした。映画で流れてきた最初の曲の最初の音を聴いたときに「この曲、絶対好きなやつだ!」って思ったし、ひとつの曲が終わる頃には「この音楽と映画をきっとわたしはすごく好きになる!」って確信したのを覚えてる。初めて細野さんのコンサートに行って生で演奏と歌を聴いたとき、後ろから3列目とかだったのだけど、そこまで音楽のきらきらがバーって届いてくるような、音楽の粒を身体中にいっぱい浴びているような感覚になって、涙が止まらなかったのをいつでも新鮮に思い出す。細野さんのコンサートはその後何度か行っていますが、そのどれもがそれぞれ、特別な思い出。著書『アンビエント・ドライヴァー』もだいすきなんですが(他にもたくさん好きな本はありますが)、細野さんの語り口って不思議なくらい、素直にスッと頭と心に入ってくる。ジャンルを問わず幅広く様々なものに触れられていて、心をときめかせている様子が本当に素敵だなと思う。このドキュメンタリーの中で話されていた「キーワードは自由、その自由に触れると心が躍る」も素敵な言葉。そしていつも思うけどなんなんでしょうね、細野さんの軽やかさって。お茶目で粋で軽やかな細野さん、憧れで、だいすきな方です。この作品を見て「なりたい」の気持ちがまた強まりました。
memo

memo