細野晴臣という音楽家については、YMOのメンバーで、「万引き家族」の音楽を手掛けた、という程度の事しか知らなかった。
最近YMOにハマっていてふらっと見に行ったが、あのおっとりした風貌とは裏腹の、八面六臂の働きたるや。かように創作意欲の迸る人物だとは知らなかった。エンドロールでの出演者の名を見れば、戦後日本の音楽シーンを縦横無尽に駆け巡ってきたことがよくわかる。
YMO＝「テクノの人」だと思い込んでいたが、彼にとってはテクノも通過点に過ぎないようだ。各時代を象徴するような音楽を築きながらも、決して一箇所に安住することなく、齢70を超してもなお新しい音楽を追求している。
細野晴臣を音楽史の「標本」として綴じることは、まだまだできそうにない。
