【いつからか、愛がこぼれて、止まらない。】
そうだ、夏になったら京都に鱧を食べに行こう。
ー気が早いですね。
きっと、行こう。鱧はあげないよ。
女って、大変らさいね。
ハァー。情けない。嘘ついて幸せなの?幸せなのあちらさんだけじゃないの?
ーお母さんの言う事なんて16の時から聞く気無いから。
アンタ心底男に惚れた事無いでしょ。まぁ好きにしなさい。塔子の人生なんだから。でもさぁ…人間さあ。どれだけ惚れて死んでいけるかじゃないの?
ねぇ…真君にとって結婚って何?
ー……生涯でたった1人好きになった女性と一緒になる事。