ブタブタ

マトリックス レザレクションズのブタブタのレビュー・感想・評価

2.5
『マトリックス』『仮面ライダー』間髪入れず一気に鑑賞。
奇しくも両方とも根幹のテーマは同じだった。
こっちはいい方の50点。
2時間半やったけどあと2時間半やってもよかった。
そしたら百点だった。
スタイリッシュなアクションはなりを潜めてラナ・ウォシャウスキー監督の極私的な、内省と精神の旅、もう一度マトリックスを始める為の助走、序章であり2時間半掛かっても漸くその半分位の地点にしか届いてないと思う。

そして紛うことなきラノベ厨二病異世界召喚異能バトル・ボンクラ男子向け映画。
それからキアヌ・リーブスはジョン・ウィックよりも黒髪黒髭チャック・ノリスに見えた。
正に親父アクション映画
『ザ・マトリックス・マン~地獄のアノマリー・コマンド~』

そのジャンルを「以前・以後」に分けてしまったエポックメイキング的大傑作作品を作ってしまった作家(監督)はその後どうするのか?
その作品を「終わらせる」「他の人に任せる」「死ぬ迄作る」の3タイプに別れると思う。
代表的な三者↴
庵野秀明=エヴァ=「終わらせる」
ジョージ・ルーカス=スターウォーズ=「他の人に任せる」
富野由悠季=ガンダム=「死ぬ迄作る(とマツコ・デラックスの番組で言ってた)」

そしてウォシャウスキー姉妹に関してはちょっと事情が違う。
なんたってウォシャウスキー姉妹監督は「二人居る」から。
リリー監督はラナ監督に任せて、ラナ監督は『マトリックス』を死ぬ迄作ると覚悟を決めたんじゃないだろうか。

『マトリックス』は庵野秀明監督にとっての『エヴァ』と同じく私小説的な作品であり、終わらせるか続けるかの相当の葛藤があった事は当然だと。
しかし今回のレザレクションズで完全にマトリックスの続編であり解体と再構築、更なる続編へとハッキリ舵を取ったと思う。

言うなればマトリックスは『デビルマン』から『バイオレンスジャック』へと移行した。
ネオとスミスは不動明と飛鳥了の関係に。
つまりこの先幾らでも続きが作れる。
キャラクターポスターにもなってる新モーフィアスのヤーヤ・アヴドゥル=マティーン二世のお洒落なオレンジスーツでのガン=カタ、ネオのかめはめ波、弾丸止めの大盤振る舞いに逆バレットタイム。
スタイリッシュかつ新しいアクションは全くなかったのは致し方なし。
今回特徴的だったのはとにかく狭い場所での「密集アクション」
新幹線の中から異空間への移動、からの車内の銃撃戦やカフェでの満員電車内みたいな乱戦。
そして何と言ってもゾンビというよりも寧ろ完全にロメロ『クレイジーズ』のスケールアップアクション。

エヴァ新劇場版でもSWエピソード7でもなくルーカスが失敗した「三部作後の新第一作」をマトリックスは成功したのでは。
なのでコレ一作では未だ判断つかず。

あとナイオビ要らんな。
2からのどうでもいいキャラクターなのに「オリジナルキャラクターでござい」感がウザいし老婆メイクとかして熱演?とか、無駄に出番多いし鬱陶しいからトイレ行って帰ってもまだ画面にいる!
本当にあのキャラクターはいらない。
折角出すならローレンス・フィッシュバーンの「オリジナル・モーフィアス」があそこで出て来たら凄いサプライズだったのに。
ブタブタ

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