TaiRa

マトリックス レザレクションズのTaiRaのレビュー・感想・評価

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自作のもたらした功罪を引っ括めて落とし前つける完結編という点では、『シン・エヴァンゲリオン』より成功してる。

ギリギリ『マトリックス』世代なので約20年ぶりの新作とか、そういうのをまるっと体験するの初めてかも。色んな映画でリブートやら久々の新作やらを観て来たけど、いよいよ最初から知ってるシリーズがそういう対象かと。年食ったわ。新作を作る理由は、ワーナーからの商業的な要請以外にもラナ・ウォシャウスキーには色々あったんだろうと理解出来るし誠実な新作だと思う。20年経ち、作品の功罪が余りにもハッキリして来たので、生みの親として声明出したかったのも、自己セラピーとして作りたかったのも分かる。その上でリリーが不参加なのも。過去作を尊重した上で新作を作ったのは良かった。ちゃんとパート4。2作目と3作目は観直さないで行ったけど、20年前のうろ覚えの記憶のままで逆に良かった。作中のネオが「こんなん前にもあった気がする」と終始うろ覚え状態なので超リンクした。丁寧にフラッシュバックも入れてくれるし。アクション面で不満が多いけど、あんまりそこに力点置いてないのも分かったし別に良いかな。簡単に撮ってる様で複雑な視覚効果もたくさんあって画的な満足度は高い。ちゃんと『マトリックス』っぽい荒唐無稽なクライマックスもあるし。あの辺の文字通り「ネットに目が眩んだ暴徒」の分かり易すぎる風刺も楽しい。3部作とは決定的に違う軽いトーンは魅力だし、過去作のやり直しではないのが良い。その上で本質的な追加メッセージがあって、後味は良かった。話の構成が下手だけどそれも愛嬌。
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