やまだ

マトリックス レザレクションズのやまだのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

マトリックスである。映画史のひとつの転換点とも言えるあの傑作。そのマトリックスの続編と言われれば、映画好きを自認するなら観ない訳にはいかないし、リバイバル的続編には地雷も多くあることは理解していながらも期待は膨らんでしまう。封切りからだいぶ間が空いてしまったが、年明け一発目の劇場鑑賞作品となった。
結論を言うと、イマイチだった。
一作目の元祖マトリックスで個人的に一番度肝を抜かれたのはその設定、世界観そのものであった。あの設定は当時としてはとてつもなく斬新で、心躍るものだった。それに加えて哲学的・宗教的な比喩やオマージュも多く見られ、私のような自称映画ファンがしたり顔で考察する余地も大いに与えてくれる作品だったのも嬉しい。その直接の続編であるリローデッドとレヴォリューションズの2作品は物語上どうしても現実世界の比重が多くなってしまうので、マトリックスの世界に魅入られた自分にとっては多少の物足りなさはあったが、それでもスミスという存在のおかげで1作目程ではないにしろ楽しむことができた。
そして、このレザレクションズである。
何がだめかって、何と言っても「見せ場が無い」、これに尽きる。しかも作中のメタ発言で散々元祖マトリックスのバレットタイムを茶化しておきながら、それを上回るものを何も用意していないというガッカリ具合。そのメタ発言ももう本当に本当に度を越していて、鑑賞している最中から「本当はこれを撮りたくなかったんだ、作りたくなかったんだ」という想いを丁寧に観客に伝えてくれるので、観てるほうはガン萎え。そんな中でエンドロール後のあの発言を聞いた時はもう逆に笑ってしまった。
言いたいことは山ほどあれど、止まらないのでこのくらいで…普通にこの作品を評価するなら2点。+0.5は、「マトリックスの続編という夢を見させてくれてありがとう」の感謝を込めて。
やまだ

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